小惑星トピックス

磯部 秀三(日本スペースガード協会理事長)



 人類は小惑星衝突によって何度も滅ぼされた
 
 イギリスのべニー・パイザーとオーストラリアのミカエル・ペインは、人類の多様な猿人や原人は、それぞれ小惑星衝突によって滅ぼされ、たまたま衝突地点から遠くにいた種のみが生き延び、現代人までつながってきて、現代人の存在は偶然に支配された結果であるという説を提出した。しかし、その議論には多くの賛否の意見が発表され、まだ決着はついていない。
 パイザーたちの根拠は、人類の存在中に552個のクレータが形成され、そのうち、直径20kmものクレータを作り、1,000kmもの範囲に被害を及ぼすものが9個あり、10kmのもので被害範囲が数百kmでは64回起こっている。そのような地域にいた人類種は絶滅したはずである。
そして、衝突する場所は偶然によっているので、生き残る人類種も偶然によっているというのである。この決着は実際のクレータの発見とその年代測定の結果にかかっている。


 Sloan数値掃天観測による小惑星の分類
 
 Sloan数値掃天望遠鏡は、口径2.5m望遠鏡の焦点に3度角に及ぶ範囲にCCD素子をひきつめたものである。望遠鏡の焦点面は、美星スペースガードセンター1m望遠鏡は平面になるように工夫してあるが、この望遠鏡は凹面になっているが、5色の色フィルターによって焦点面を調節している。
 小惑星の表面はいろいろな物質によってできていて、波長毎にその強度分布は異なっている。条件にあった5色での観測を行うと、珪素質の物体か、炭素質の物体かを決めることができる。この望遠鏡の観測によると、2.8天文単位より内側では、珪素質小惑星の割合が多く、外側では炭素質小惑星の割合が多いことが示された。つまり、外側では、太陽系形成の頃の原初的な小惑星が多かったのである。
 もう一つの事実は、小惑星帯では直径4kmより小さい小惑星の割合は、これまで考えられていたよりはるかに少ないことがわかった。小さな小惑星は、直径10km前後の小惑星の衝突によって作られ、大部分は、小惑星帯から外れる軌道に移ったと考えられる。
 Sloanプロジェクトは、日米の共同チームによって推進されているものである。