編集室から



 今年の東京は6月のおわりから暑い日が続いています。気象庁は7月10になって、ようやく関東地方の梅雨明けを発表しましたが、変幻自在な自然現象に明確な区切りを付けるのも、なかなか大変なようです。しかし、このままの暑さが7月、8月と続くのでしょうか。これは暑さへの防御が何か要りそうです。
 防御といえば、最近、ネットワークの急速な普及と相俟って、いわゆるハッカーやウィルスによる被害も急増しています。そのため各機関はファイアウォールと呼ばれるネットワークの防御壁を二重、三重に張りめぐらせるようになっています。進入する側の技術進歩も著しいので、このせめぎ合いは今後ますます激化していくことでしょう。しかし、簡単に入り込めないネットワークというのは、自由にコミュニケートするという、ネットワーク本来の趣旨と矛盾しています。そのうち、誰も入り込めないネットワークという、不思議なものができることになるかもしれません。
 実はこの防御壁の影響をJSGAでも受けています。美星SGFに置かれたJSGAのホームページを外部から追加修正することが非常に難しくなっています。そのためホームページの更新や「あすてろいど」の追加が少し滞っています。今後、改善にむけて努力していきますが、もうしばらくお待ちください。
 前置きはこのくらいにして、美星スペースガードセンター(BSGC)に設置される光景1mの望遠鏡もまもなく完成、納入されることになりました。3度という広視野の望遠鏡で、受光部にCCDを用いるのは世界でも初めてということですが、取り付けられる80万画素のモザイクCCDカメラは、ハワイのすばる望遠鏡の主焦点に設置されているカメラと同等という、立派なものです。BSGCの作業もますます忙しくなりそうですが、成果も楽しみです。

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挿絵 JONA

 森 巧理事の構想するJSGAの関西支部がいよいよ始動しようとしています。「押す力は社会の良識として持続的にあることが望ましい。JSGAは10万の会員でこれをなそうと考えている。」と大変心強い決意を表明されています。会員の皆様の絶大なるご支援をお願いするしだいです。
 前野さんのエッセイは大変控えめな記述ながら、マイペースでしかも着実に小惑星観測を進めておられる様子がよく伝わってきます。海に面した静かな環境、温泉と海の幸、そして美しい星空、うらやましい限りです。これからもときどきレポートをお待ちしています。
 いよいよ、待望の奥志伝足さんの連載が始まりました。奥志伝足ってだれ?といわれる方があるかもしれません。実は編集室でもその実体をよく把握しておりません。たまたま会員のある方が彼(おそらく男性であろうと推測しているのですが、確信はありません)との接触に成功し、連載原稿を頂けることになりました。いずれははっきりしたことがわかると思います。ともかく、その繊細にしてみずみずしい感覚は、さわやかな涼風のようにこれからの紙面を潤してくれると思います。
 マダガスカルでの日食ツアーは、1年間にわたる準備期間が結構大変でしたが、とにかく成功だったと思います。これはぜひ記録に残しておこうと、8ページの特集にしました。幾つかのハプニングや予想に反した事態にとまどうこともありましたが、終わってみれば、それらが旅の印象を強めているのではないでしょうか。ツアーに参加されなかった方々にも、あの劇的な皆既日食の旅の、ごく一部でも共有していただければと思います。原稿、写真をお送り頂いた皆さま、ご協力どうもありがとうございました。
 JSGAの研究員でもあるDavid Asherさんの講演会がはじまっています。美星での観測作業のあいまを縫って、全国各地で、獅子座流星群と小惑星にかんする講演を続けています。そのコーディネータを務める守山さんのエッセイと、加藤さんの講演会報告から、その様子がおわかりいただけるかと思います。皆さまも近くで開かれた折りにはぜひ会場までおでかけになって下さい。、今年はAsherさんの予測通り、日本で多くの流星が見られることを期待しています。
(松 島)