編集室から



  大変暑い日が長く続いた今年の夏でしたが、いつの間にか秋も深まり、大変快適な気候になりました。編集室のまわりではリンゴがすっかり色づき、朝の散歩で拾ってきた山栗で、秋の味覚を楽しんでいます。
 しかし、世の中はすっかり騒々しくなっています。今回の米国の事件を経験して、あらためて現代社会の危うさ、もろさ、ロバスト性のなさを実感しました。それにしても現代文明社会での情報伝達速度、それに対応する応答は何と速くなってしまったことでしょう。マスメディアの発達は、地球上の距離感を喪失させてしまいまいた。最近、ますます慌ただしさを増す日常生活の中で、われわれの時の流れが確実に速くなっていることを実感している方も多いのではないでしょうか。「情報伝達速度」、普段何気なく使う言葉ですが、これは現代文明の核の一つとして、われわれに大変な影響をあたえているように思います。昔であれば数世代、何百年にわたって経験した世の中の変化を、現代は一世代で経験できてしまいます。文明の発達は見かけの時間進行を確実に速めています。人類という種の寿命が有限であるとすると、加速度的に速まる時間の流れは、人類に与えられた有限の寿命という時間間隔をみるみる縮めているような気がします。

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 またまた前置きが長くなりました。これは「今月のイメージ」のイントロにと書き始めたのですが、いつまでたっても終わりそうにないので、後は本文を読んでいただくことにします。さて日本スペースガード協会の主催する最初の国際ワークショップ、「NEA観測及び軌道決定のための国際協力・協調」が間近にせまってきました。21頁にそのプログラムが掲載されています。10月23日は歓迎のレセプション、24日から26日までが実質的な会議、27日は美星スペースガードセンターへのテクニカルツアーとなっています。プログラムをご覧いただくとわかりますように、現在、小惑星、NEO関連の観測、研究で国際的に活躍されている研究者が多数参加することになっています。小惑星観測についての国際協力体制を築こうということが主題になっていますが、この分野で今どんな観測、研究が行われているか、これから何を行おうとしているのか、といった情報を得る上でも大変貴重な会議であると思います。専門の研究者ということにこだわることなく、興味をお持ちの方はぜひ参加参加してみてはいかがでしょうか。

 もう一つお願いがあります。JSGAの会計年度は1月1日から12月31日となっており、会費納入は前納していただくことになっています。この会費の大部分は年4回発行される「あすてろいど」の編集・印刷費と各会員への郵送費になっています。編集室でも内容を少しでも充実し、読みやすく、楽しいものにしたいと努力しておりますが、それにともなって最近は頁数も増え、要する経費もかなり大きくなってきました。現在、会費改定についても委員会での審議が行われていますが、その前に現会費の迅速な納入を切にお願いするしだいです。複数年の会費をまとめて納入することもできます。会員の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

 最後に今回も多くの方々に原稿を執筆していただきました。紙面の関係で提出いただいた原稿や写真なども一部割愛させていただいたり、効果的な大きさで使えないこともあったことを残念に思っています。これに懲りずに今後ともよろしくお願いいたします。また多くの会員からの投稿をお待ちしています。
( 松 島 / 写真は中国、トルファンにて )