国際ワークショップ

「NEA観測及び軌道決定のための国際協力・協調」
開催される



 「あすてろいど」でもご案内していましたが、「NEOの観測および軌道計算のための国際協力」について議論をする国際会議を、2001年10月23日から26日にかけて岡山県倉敷市にて開催しました。スペースガードの活動も現在では世界的な広がりを見せていますが、次のステップに踏み出すためにはまだ欠けていることがあります。それが、「国際協力」です。この倉敷の会議は、まさにこの国際協力を議論することを目的として、日本スペースガード協会が中心となって開催したものです。

 さて、この会議の準備は磯部理事長が中心となって、1年ほど前から行なわれていましたが、出席者も固まって最終的な案内が出されようとしたとき、事態が急変しました。2001年の9月11日に、アメリカで同時多発テロが発生したのです。そのために、海外からどのくらいの参加があるのか、また、そもそも国際会議が開けるのか、かなり心配な状況となりました。この事態を受けて、磯部理事長が、会議開催の直前に出席予定者に参加の意志の確認を取りましたが、その結果、ほとんどの人からは参加するという返事をもらうことができました。それで、開催に踏み切ったのです。ただし、残念ながらテロの影響で参加できないという人も数人いました。特に、マイナー・プラネット・センターのブライアン・マースデン氏やボーイング社のジョン・アフリカーノ氏らが参加できなくなったのが残念でした。

 海外からの参加者ですが、約10カ国から15名ほどでした。この中には、小惑星の観測で有名なトム・ゲーレル氏やエドワード・ボウエル氏、軌道計算で有名なドナルド・ヨーマンス氏、そして国際スペースガード財団のアンドレア・カルーシ氏などが含まれています。この他にも、ハンス・リックマン氏、マーク・ベイリー氏、カーリ・ムイノーネン氏などいずれも第一線の研究者ばかりです。日本からは、日本スペースガード協会関係者を初めとして、宇宙開発事業団や日本宇宙フォーラムなどから合わせて35名近くの参加がありました。
 会議では、まず、各グループや各国における現状の活動状況の報告があり、次に、大きく3つのグループに分かれて、具体的な協力方法について議論がなされました。3つのグループとは、「発見」、「フォローアップ」、「軌道計算」です。3日間をフルに使った会合で、かなり実質的な討議が行われ、最後には磯部理事長が中心となって議論のまとめをレコメンデーション(推奨・提言・勧告という意味)という形でまと
めています。

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会議出席者
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会議終了後の晩餐会、挨拶するのは磯部JSGA理事長

   会議では、この他に、日本の小惑星探査の話やスペースデブリ関係の話もあり、海外からの参加者もかなり興味を持ったようです。また、国立天文台の岡山天体物理観測所と美星スペースガードセンターの見学会も行われ、あわせて日本の秋も楽しんでもらいました。なお、この見学会も含めて会議の運営にあたっては、BATTeRSのメンバーに多大な貢献をしていただきました。

 今回の国際会議では、当初の目的を無事に達成することができましたし、内外からの参加者との十分な交流ができたと思います。今後は、この会議で議論したことをいかに実践していくかが問題となります。

謝辞:
この国際会議は、共催として、アメリカ航空宇宙局(NASA)、倉敷市、日本宇宙フォーラムに、また、後援として、文部科学省、環境省、岡山県、岡山県教育委員会、岡山市、岡山市教育委員会、倉敷市教育委員会、美星町、美星町教育委員会、国立天文台、宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団、日本天文学会、日本惑星科学会の各機関・団体にご協力をいただきました。ここに感謝の意を表します。 
(事務局)