特集「日本中を沸かした2001年しし座流星雨」

David Asher 全国講演会ツアーを終わって



 昨年の11月19日早朝、日本の夜空に展開されたあの素晴らしい天体ショウをご覧になったでしょうか。日本スペースガード協会では多くの方々に、小惑星をはじめとして地球に接近、衝突してくるさまざまな天体についての関心を持っていただくために、客員研究員として招へいしているデービッド・アッシャーさんによる全国講演会ツアーを企画いたしました。各地の科学館をはじめ、多くの機関、団体の協力を得て、昨年6月、7月および10月、11月の4カ月にわたり、全国の9都道府県で合計14回の講演会を開くことができました。ご協力いただいた全国の皆さまに心よりお礼を申し上げます。講演会を聞かれた方々は、アッシャーさんが今回のしし座流星群の出現をいかにして予測したかを幾分なりともおわかり頂けたのではないかと思います。そして彼の予想に違わず、素晴らしい流星群の出現で講演会ツアーの締めくくりができました。というわけで昨年のJSGAのしし座流星群とのかかわりを何らかの形で記録に留めるためにこの特集を構成してみました。またアッシャーさんの講演を直接お聞きできなかった方のために、講演原稿の全訳も掲載いたしました。お楽しみいただけたら幸いです。ごの特集には執筆を通して多くの方々の協力をいただきました。また高間 厚さん、岩下由美さん、渡辺文雄さんにはたくさんの写真を提供いただきました。(松 島)

ついに出現,しし座流星雨!

〜 アッシャー論文がもたらした幸運 〜 
吉村宜博(宮崎市,JSGA会員)



◆アッシャー理論との出会い

 1999年11月18日にヨーロッパでしし座流星群が大出現。ほとんどの人は「しし群はこれで終わった」と思ったはずです。マスコミも「しし座流星群の大出現はテンペル・タットル彗星が次に回帰する33年後を待つしかない」と一斉に報じました。ところが,この終結宣言がなされたその日の深夜,日本で小規模の出現があったのです。

 1998年は日本を含む東アジアが適地という大方の予想を裏切ってヨーロッパで小規模の出現があり,1999年は今度は大方の予想通りヨーロッパで大出現と,2年連続で日本は蚊帳の外でした。

 「あ?ぁ,何年も前から楽しみにしていたのに。去年も今年もヨーロッパで終わりかぁ。」と落胆した気分で日本流星研究会のホームページを開きました。あきらめきれず,何か情報がないかと思ってです。すると,「英国のアッシャー博士の論文では,19日04時55分JSTに1833年に母天体から放出されたダスト帯に接近するため突発的な出現が見られる可能性がある」との情報が目に飛び込んできました。「ん?,アッシャー博士?」。このときはアッシャー博士のことは知りませんでしたが,そんなことより,もう一度チャンスを得たことに気を良くして,数人の仲間に呼びかけて,近場では条件の良い宮崎市内の「みたま園」という霊園へと向かいました。流星を期待するというより,まだしし群を終わらせたくないという未練からでした。

 ところが,どうでしょう。午前1時頃からしだいに流星が増え始め,多いときには歓声が途切れないくらいの出現に出くわしたのです。結局,夜明けまでに我々(4人)が数えたしし群の流星は341個。暗めのものが多かったものの,これだけの流星をまとめて見たのは生まれて初めてのことだったので,かなり興奮しました。もちろん,真夜中の墓場で大騒ぎしたのも生まれてはじめてのことです。


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「北斗七星付近」50mmF1.8,02:20頃〜3分露出
撮影場所:宮崎県西臼杵郡高千穂町四季見原
撮影日:2001年11月19日
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「放射点から噴き出す流星群」20mmF2.8開放(赤道儀使用),
03:00頃〜15分露出(5分露出の3コマを合成)
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「冬の大三角付近」20mmF2.8開放(赤道議使用),
03:50頃〜10分露出
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