宇宙からのインパクター-3



 テンぺル・タットル彗星は1998年に回帰しました。今では過去数世紀にわたって、33年ごとに生み出されてきた細いトレイルが何本か存在しています。これは1999年の各トレイルの位置です。(図7)1999年の11月に地球が通る軌道面にあるトレイルが描いてあります。図の中の楕円はトレイルを地球の軌道面で切った断面を表しています。3周期前(つまり、100年前)のトレイルが、ピーク時に1分間で50個以上のすばらしい流れ星を見せてくれました。1999年、私はヨルダン天文協会主催の会合に出席するためヨルダンにいました。私達はヨルダンの砂漠にある彼らの観測場所で見ることができ、なんと同時に半ダースもの流星が現れるのを何度か見ました。

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図7 ダストトレイルの断面図(1999年)

 これは去年のトレイルの位置です。(図8)2000年11月の地球の軌道面で切ったトレイルです。この面は長いトレイルの違う場所で切っていることになるので、1999年とは違う場所を通ることになります。2000年には地球はこれらの細いトレイルの真中を通りませんでした。だから、私達は一時間に数千個もの流れ星を見ることはできませんでしたが、良い場所にいれば1時間に数百個くらいの普通の流星群を見ることができました。
 ところが、今年はエキサイティングな状況です。地球がいくつかのトレイルと遭遇するのです。(図9)そして来年もまた、とても良い年です。2001年と2002年はすばらしいしし座流星群が見られるでしょう。

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図8 ダストトレイルの断面図(2000年)
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図9 ダストトレイルの断面図(2001年)

 もし地球が密度の濃いダストトレイルに遭遇しても、1時間くらいで通り過ぎてしまうので、流星群を見るためによい場所にいたとしても、しし座流星雨を見られるのは少しの時間しかないでしょう。地図を見てみましょう。(図10)これはしし座の方向から見た地球の様子です。左側が夜で右側が昼です。もしこの地図の真ん中にいたら、しし座は頭の真上にあることになります。しし座流星群はしし座が地平線の上に昇っているときに見られますが、しし座が高く昇っているほうが流れ星は多く見えます。

 でも、しし座が頭の真上まで昇ってくるのを待っていたら、朝になってしまうのでだめです。この地図の真ん中の地帯は薄明帯です。だから、しし座流星群を見るのに一番良いところは、この端に行き過ぎない左側なのです。これは1999年の、流星の出現が最大になると予測されている時間の地図ですが、流星の出現は最大の1時間前から増えてきました。ヨルダンを含む中東は流星群の大出現を見るのに理想的な場所だったのです。(図11)

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図10 しし座から見た地球(2001年)(Robert McNaught)
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図11 しし座から見た地球(1999年)(Robert McNaught)

 今年は1999年と同等かそれ以上の流れ星を見られそうです。地球は1699年(9周回前)にできたダストトレイルと、1866年(4周回前)にできたダストトレイルに遭遇します。図10を見て下さい。一番いいのは太平洋の西岸で船に乗って見ることです。でも、地面の上でもっと楽に、しかも同じくらい良く見えるのは、ここ、日本です。天気さえ良ければ、日本が世界中で一番いい場所なのです。天気予報を見て、空が晴れそうなところに行って見ましょう。ここに書いてあるのはグリニッジ標準時です。日本では19日の早朝になります。数時間前に、もう一つのピークがありますが、これはそれほどたくさんは流れません。この時間は北アメリカで流れ星が見えているでしょう。

 2002年、地球は2本のダストトレイルに遭遇するでしょう。(図12)はじめの方はヨーロッパで、次のはアメリカで見られます。2002年に地球が遭遇する2本のダストトレイルは2001年に東アジアで見えるものより密度が濃いものです。でも、2001年は新月なのに、2002年は明るい満月が空に輝いています。だから、流れ星の数は2002年が多くても、目に見えるものは2001年のほうが多いでしょう。

 テンプル・タットル彗星は33年後にまた戻ってきます。これは2034年の地図です。(図13)私はまだ観測するかどうか決めていません。実際に2030年代の計算をするためには、もっと細かな情報が必要なのですが、今は今年や来年の様子がどうだったかという情報がないからです。

 だから、どうぞみなさん、今年のしし座流星群を見て下さい。どこか、暗くて、人工の明かりがなくて、晴れたところ(残念ながら、お天気は操作できませんから、晴れそうな場所へ行って)見て下さい。
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図12 ダストトレイルの断面図(2002年
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図13 しし座から見た地球(2034年)(Robert McNaught)