学校における公開講演会から



高等学校における講演会

 日本スペースガード協会では、小惑星衝突問題について一般の方々に関心を持って頂くために公開講演会を開催してきました。その活動を発展させるべく、昨年度に学校における講演会を企画しました。公開講演会を開催する時の重要な問題の一つは、どのようにしてより多くの聴衆に参加してもらうかにあります。当協会だけの広報活動では決して十分とはいかず、これまでも科学館やプラネタリウム館と共催して頂くことによって聴衆の確保に勤めてきました。

 一方、高等学校などとの協力で講演会を開催すれば、新しい科学的内容に興味を持つ生徒たちの参加を学校側から促してもらえることになり、また学校側に対してもも科学の一つのトピックを提供できるというメリットが期待されます。

 そこで、今回2つの学校における講演会を行ったところ、以下に示すように大成功をおさめることができました。今後も機会を見つけて1年数回程度続けていきたいと考えております。このような企画に関心のある学校がありましたら、協会事務局の方にお問い合わせください。
1.大阪府立岸和田高等学校

 倉敷で開催された国際会議に出席されたイギリス北アイルランドのアーマー天文台のマーク・ベイリー台長が2001年10月29日午後4時00分から1時間余りの講演をされ、共催者のブリティッシュ・カウンシルの辻さんが通訳をされました。その講演の前に磯部が美星スペースガードセンターのビデオ投映をして、日本の活動の大略を示しました。約150名の生徒と先生及び10名程の一般の方々が熱心に聞かれました。講演後、生徒による日本語、英語での質問が活発にあり、生徒たちが熱心に聞いていたことがよくわかりました。

2.東京の私立駿台学園高等学校

 日本スペースガード協会の客員研究員であるデービッド.J.アッシャーさんが2001年11月1日午後5時30分から1時間余り“地球に接近する小惑星としし座流星群”を講演され、磯部が通訳しました。約180名の生徒と50名の一般の方が約2週間後に起こる天文イベントの意義とアッシャー理論の確かさについて聞き、講演後には通訳が混乱するほど多くの質問が次々とされました。
(磯部 秀三)



大阪府立 岸和田高校での天文講演会

岸和田高校での講演会



 講演に際して、岸和田高校の寺戸真先生が前もってベイリー台長のOHPをすべて翻訳されたものを用意され、いろいろと準備が整っていました。今回、講演会の後で生徒たちがどのような感想を持ったかについて、やはり寺戸先生は実に緻密なアンケート収集と整理をなされました。そこで、本誌にもその掲載をさせて頂きました。これを拝見しますと、講演の前に学校側でよく予習をされていたことも十分わかるとともに、天体衝突という問題に対する高校生の生き生きとした反応も大変興味深いところです。

 アンケートのまとめの前に、当日行われたベイリー台長の講演の要旨を掲載します。本当は寺戸先生のまとめられたOHPの日本語版を掲載するとよいのですが、誌面の都合で残念ながら省略させていただきました。

[ 講演概要 ]
 「太陽系と地球の関係-地球近傍小惑星の危険性と科学」 

 地球近傍天体にはどのようなものがあるか、その地球への衝突の可能性、衝突の頻度、予想される被害等について解説し、このような天体衝突の危険を人類はどう捉えるべきかという問題提起を行いました。以下に講演で使ったOHPの内容を列記しましたが、それからおおよその内容がつかめると思います。

1 地球近傍天体の正体、種類と大きさ
2 推定存在数と発見の現状
3 天体衝突の地球への影響。衝突天体の大きさでどう
  違うか。
4 小惑星の起源
5 天体衝突の頻度。地球と月のクレータからの推測
6 天体衝突の危険性をどう捉えるか
7 天体衝突の危険性の評価とそれに対する対応
8 地球近傍天体のもたらす災害の特徴
9 天体衝突を大局的に捉える