英国科学大臣によって設置された
NEO特別委員会からの勧告の施行について
― 最新版 ―
浅井 義彦(東日本国際大学



Sainsbury卿によると:
「近傍」と呼ぶに相応しいほど地球に接近して脅威となる地球近傍天体(小惑星や彗星)に関する報告を含めた、特別委員会(Task Force)からの勧告に対して、政府からの最初の回答から9ヶ月が経過した。

 今回の最新情報として、自然歴史博物館(NHM: Natural History Museum)の援助を受けるLeicesterの国立宇宙科学センター(NSSC: National Space Science Centre)が、英国のNEO情報センター(UK NEO Information Centre)とされた報告ができることを嬉しく思っている。今後は、英国内および全世界で進行中の研究活動との協力関係を築き上げるのを見ることが楽しみである。 情報センターは、同分野で活動している各地域と情報を分かち合うことになるが、これにはNSSC Consortiumが含まれている。NSSC Consortiumは、Belfastのクイーンズ大学(Queens University)、王立天文台エジンバラ・ビジターセンター(Royal Observatory Edinburgh Visitor Centre)、英国天文技術センター(United Kingdom Astronomy Technology Centre)、エジンバラ大学(University of Edinburgh)、ロンドンのクイーンメリー大学(Queen Mary University of London)、レスター大学(University of Leicester)、Walesのスペースガードセンター(Spaceguard Centre)である。

 多くの観測機関が、各々のNEOに関する情報を更新することや、新しい情報センターが開発した成果を利用することができるようになることが期待されている。

 クイーンズ大学のAlan Fitzsimmons博士は、英国の素粒子物理学および天文学研究所(PPARC: Particle Physics and Astronomy Research Council)に委嘱されたNEO観測活動にも適用可能な汎用性を持つ望遠鏡施設に関するレビューを終えた。幾つかの施設が推薦されたが、特に、カナリー諸島のLa Palmaにある二つの望遠鏡が推薦された。これについては、今後数ヶ月に渡って継続調査が行われる。

 現時点では、進行中の活動に必要な資金の詳細が明らかにされなければならないので、近いうちにNEOの追跡作業を支援する(一度見つけたら逃がさない)、新しいNEOを発見する(より小さく、これまでに発見されたより多くの)、フォローアップ観測を行う(NEOの性質を明らかにする)ために適した望遠鏡が利用可能になるはずである。

 微小なNEOを発見するために計画されたLa PalmaのIsaac Newton望遠鏡は、試験運用の間に実験観測を行うことになり、未定ではあるが、2002年の2月から6ヶ月の間に実施されることになる。また、この試験運用自体が新たな微小NEOを発見するかもしれないと期待されている。

 世界中の多くのグループが、国際的な視点からNEO問題に取り組んでおり、日本で行われた国際ワークショップは、より効率的かつ広範囲な基盤に立脚して、観測や軌道計算に関する世界的協力関係を構築するための概念的基礎を作り上げることに貢献した。

 また、欧州科学基金(ESF: European Science Foundation)の欧州宇宙科学委員会(ESSC: European Space Science Committee)が、欧州宇宙局(ESA)加盟国の大臣に対する勧告の冒頭にある一般的見解を述べる部分において、他の重要な問題とともにNEO問題を扱ったことも特記すべきである。その中では、NEOに関して、以下の様に報告されている。「欧州科学基金・欧州宇宙科学委員会は、英国の特別委員会の結論を支持する。そして、人類に対するNEO衝突による脅威は事実であり、地震や火山活動のように、政府が真剣に対応すべき、確率は低いが重要な危険と同様のものであると確信する。」

 2001年には、小惑星や彗星とのランデブーを行ったNEARやDeep Space 1などのNASAのミッションをはじめ、多くの計画が遂行された。しかし、さらに多くのことが新しい科学ミッションにおいて計画されている。

 Wirtanen 彗星に向かうESAのRosetta探査機は、現在、オランダのESTECにあるESA結合試験施設に集積されている。搭載科学観測機器のひとつは、すでに英国で完成され、今年の初めに探査機に届けられている。Rosettaに続くESAの仕事は、新たな惑星探査計画であるAuroraプログラムに焦点が絞られるが、これは、エジンバラで開催され、私が議長を務めた、最近のESA Ministerial Councilの議題に提出されたものである。プログラムの決定段階は会議で賛成され、私は英国の参加について信託した。

 最後に、特別委員会からの勧告の施行に関する一層の進展がwww.nearearthobjects.co.ukや、英国NEO情報センターを通じて報告されることを保証しておきます。
TurvilleのSainsbury卿
             2001年12月
>英国国立宇宙機関より
http://www.bnsc.gov.uk/assets/NEOTF_recommendations1f.doc

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