美星スペースガードセンターからの報告
美星スペースガードセンター開所式(5月16日)と
上斎原スペースガードセンター着工、安全祈願祭(5月15日)-1
西山 広太(美星スペースガードセンター)


1.はじめに

5月15日に上斎原スペースガードセンターの建設予定地で着工にともなう安全祈願祭が行われ、翌日16日には美星スペースガードで開所式と、この5月ふたつのスペースガードセンターが重要な節目を迎えた。この時の様子をまとめて報告する。

2.上斎原スペースガードセンター着工に伴う安全祈願祭

役目を終えた人工衛星や打ち上げたロケットの一部など宇宙に漂うごみ(スペースデブリ)をレーダーで観測する施設、それが上斎原スペースガードセンターである。財団法人・日本宇宙フォーラムが建設を進めており、岡山県上斎原村の核燃料サイクル開発機構人形峠観光技術センターの敷地内に建設される。施設は縦横12メートル、高さ4.4メートルの機械室上部に、レーダーアンテナを内蔵した直径12mのドームが乗る。高度千キロまでの低軌道にある宇宙デブリを中心に観測を行い、600キロメートル離れたところにある直径1メートルのデブリを検出可能で、10個以上のデブリを同時に追尾しデータ処理できる。茨城県にあるNASDA筑波宇宙センターから遠隔で操作をおこなう。人工衛星や打ち上げロケットとの衝突防止、地上への落下予測、ロケットの安全な打ち上げ予測などに力を発揮すると期待されている。

上斎原スペースガードセンター施設の着工に伴う安全祈願祭には日本スペースガード協会からは理事長をはじめ協会員7名が出席した(私もそのうちの1人)。当日はあいにくの雨。せっかくの記念すべき着工式が晴れなかったのは残念であったが、上斎原スペースガードセンターはレーダーを使った施設であるので観測は天候には左右されにくい(ので幸先は別に悪くない?)。式は岡山県上斎原村の建設予定地で午前10:30分より行われた。協会からの参加者7名は当日の朝早く1台の車(定員いっぱいでした)で美星スペースガードセンターを出発(運転手は私)。上斎原村は同じ岡山県内にありながら、いままで一度も行ったことのない場所であったので、結構楽しみにしていたが、夜の仕事がほとんどで体が夜型になっている私には早朝の出発は結構つらい。高梁市の賀陽インターより高速道路にのり、岡山自動車道、中国自動車道、院庄インターから国道179号をひたすら北上、約2時間で上斎原村。天候が雨だった以外は、途中特に混雑することもなく順調なドライブで予定通り到着。はじめて訪れた上斎原村は、車で走った程度ではあったものの、川や緑がきれいな自然の美しいところ、という印象。すぐお隣には有名な奥津温泉もある(次行くときはぜひ寄りたい)。

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安全祈願祭の様子 日本スペースガードセンターを代表して「玉串の奉奠(たまぐしほうてん)」をとりおこなう磯部理事長

安全祈願祭は、施設建設のために平らにならされた予定地にテントを張り、その中で行われた。建設予定地はちょっとした高台になっており、周囲に視界をさえぎるものがなく、衛星観測には好適な場所である。式には事業主体となる(財)日本宇宙フォーラムをはじめ上斎原村職員ら関係者約50名が参加。開式の辞ではじまった式では、施工主である日本宇宙フォーラム、施工者の日本電気株式会社、式の設営を行った日本電気システム建設株式会社の3者による鍬入れの儀に続き、関係団体の代表者による玉串の奉奠(たまぐしほうてん)では、日本スペースガード協会の代表として磯部理事長がこれをおこなった(写真)。式はおよそ40分で終了。その後、帰り道に、核燃料サイクル開発機構人形峠環境技術センターに隣接してある「人形峠展示館」(この施設の役割や原子力についての展示を行っている展示館。入館無料)を見学し、美星スペースガードセンターへと戻った。上斎原スペースガードセンターの完成予定は2004年。これにより、すでに稼働している美星スペースガードセンターとあわせ、光学とレーダーの両面からのデブリ観測が日本で行われることになる。
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