美星スペースガードセンターからの報告
美星スペースガードセンター開所式(5月16日)と
上斎原スペースガードセンター着工、安全祈願祭(5月15日)-2
西山 広太(美星スペースガードセンター)


3.美星スペースガードセンター開所式

上斎原スペースガードセンターの着工式の翌日、5月16日には美星スペースガードセンター(岡山県美星町)の開所式が行われた(美星スペースガードセンターは財団法人日本宇宙フォーラムが所有し、宇宙開発事業団がスペースデブリの観測を委託、特定非営利活動法人である日本スペースガード協会が観測運営を行っている)。これまでも口径25cmの反射望遠鏡を使った観測により、小惑星・デブリの観測で成果をだしてきた美星スペースガードセンターであるが、この冬から主力の1m望遠鏡・50cm望遠鏡の整備が急ピッチで進められており、本格運用への期待が高まる中で5月16日の開所式を迎えた。

前日観測当番のスタッフも昼過ぎから合流(開所式といえどももちろん観測は休まない)、普段全員が集まる機会が少ないスタッフもこの日は全員集合し、磯部理事長をはじめ数名の協会役員の方々と美星スペースガードセンターにて開所式に向けた最終的な準備を行った。いつもは観測のしやすいラフな服装で仕事をしている私たち職員も、この日は皆がよそ行きの服装である。私は、めったにないきちんとした服装に恥ずかしい気持ちを感じながらも、そのことで逆に気分もやや引き締まり、開所式という節目を迎えているということを実感した。
スケジュールの関係で式の開始直前に美星スペースガードセンターを訪れた岡山県知事の案内を行った後、私たちは開所式会場である美星町の町民会館へと移動した。開所式は午後3時より開始。主催者である財団法人日本宇宙フォーラムの理事長、内田氏の挨拶で始まり、来賓挨拶・祝電披露が行われ、続いて日本スペースガード協会の磯部理事長が「スペースガードセンターの役割と概要」についての講演を行った。また途中、宇宙開発事業団より人工衛星の光学観測の成果に対し、感謝状と記念の盾が美星スペースガードセンターへと贈られた。式はおよそ1時間で終了した。

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開所式では磯部理事長が「スペースガードセンターの役割と概要」についての講演を行った 見学会にて来賓の方に説明をする観測スタッフ

開所式に続き、式出席者による美星スペースガードセンターの施設見学会が行われた。われわれ職員も50名近くの参加者と報道関係者の案内を行う。見学会では、1m望遠鏡や計算機などの設備についての質問、デブリ・小惑星の撮影の仕方、画像からの小惑星の判別の方法など観測画像や結果についての質問など、参加者からは多枝にわたる質問が熱心に出された。また、報道関係者が取材にきておりこの日の夕方には開所式と見学会の様子がニュース番組の中で取り上げられていた。見学会終了後、懇親会が夕刻からはじまった(会場は美星スペースガードセンターのお隣にある美星天文台の研修室)。日本スペースガード協会では、美星スペースガードセンター建設に貢献していただいた10の個人・団体に当センターでこれまでに発見した小惑星にその方々の名前を付けることを提案することを決めており、懇親会の場で、その10名の個人・団体の方々に、その小惑星の発見時の画像の入った額と軌道等の情報を納めたファイルを贈呈するというイベントを行った。

普段は観測スタッフ5名という少人数の職場なので、ひさしぶりに大勢の関係者の方々と交流ができ大変有意義であった(お酒もおいしかった)。この開所式のイベント全体を通して、開所に向けてのいろいろな方々のご苦労や思い入れを知ることができ、また、美星スペースガードセンターの今後の観測成果への期待の大きさを実感することが出来た。開所式を迎えたことで、これから、スペースデブリ・地球近傍小惑星を観測する国内はじめての専用施設としてますます注目され、その役割への期待も高まっていくと思われる。現在進めている1m望遠鏡の整備を完了させ、一日もはやく本格的観測システムを軌道にのせなければと、決意を新たにする一日ともなった。  
 (写真提供: JSF)
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