| レーダ観測施設の断面図(予想図) |
上齋原スペースガードセンター
レーダサブシステム
レーダサブシステムは空中線装置と受信信号処理部から構成されます。
空中線装置は、アクティブフェーズドアレー方式を採用して、宇宙デブリ探索のための電波の送受信を行います。これは、3m×3mの平面上に送受信モジュールが約1,400個配置されたアンテナで、アンテナそのものを動かすことなく、仰角方向と方位方向に、一定の範囲で瞬間的に送信の向きを変えることができるレーダです。
装置全体は風雪を防ぐため、直径12mのレドーム内に設置されます。また、アンテナは仰角方向に45度の傾斜を持つよう設置され、基台部は方位方向に機械駆動で回転できるようになっています。
受信信号処理部では励振と受信を行い、また受信波を増幅検波してA/D変換部にデータを渡します。このデータはA/D変換部から信号処理部を経て、角度・距離等の工学計測値に変換され、データ処理部において、観測した宇宙デブリの軌道決定・軌道予測の処理がなされます。この結果はビーム制御サブシステムにフィードバックされ、空中線装置の方位角の機械駆動や、アンテナから送信されるビームの向きの制御に用いられます。
空中線装置の主要諸元
| 動作周波数 | 3,100MHz〜3,400MHzの1波 |
| 空中線開口 | 横3m〜縦3m |
| 最小識別角度 | 方位・仰角とも2.8度以下 |
| 最小識別距離 | 300m以下 |
| 最大処理距離 | 1,000km以下 |
| 方位回転速度 | 6度/秒以上 |
ビーム制御サブシステム
ビーム制御サブシステムは、アクティブフェーズドアレー方式の利点を生かして、最も効率的に宇宙デブリを追尾できるように、ビームの時分割制御を行います。本施設では、ビーム走査可能範囲において、10個以上のデブリを同時追尾が可能となるように設計されており、デブリ観測に最適な追尾観測を実現されます。
主な機能
・本施設により、距離600kmにおける直径1mの宇宙デブリが観測可能です。
・本施設により、10個以上の宇宙デブリを同時に追尾し、データ処理を行うことが可能です。
・1回の可視データの取得で、再捕捉に必要な軌道決定精度が得られます。
観測計画
主として低軌道の宇宙デブリの検出を中心とした観測を行い、スポット的に人工衛星と宇宙デブリの衝突警報、宇宙デブリの地上への落下予測、流星群の観測等の宇宙イベント解析などに対応した観測を行います。