観測施設 - スペースガードセンター-

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スペースガードセンター(宇宙デブリ及び地球近傍小惑星観測施設)の整備計画

 岡山県に宇宙デブリ及び地球近傍小惑星の観測施設を整備
 〜文部科学省の補助金により平成10年度から〜

 ★上齋原(かみさいばら)スペースガードセンター(KSGC):岡山県苫田郡上齋原村
 ★美星(びせい)スペースガードセンター(BSGC):岡山県小田郡美星町

  財団法人日本宇宙フォーラムは、文部科学省の特別電源所在県科学技術振興事業補助金により、
 平成10年度から15年度までの6年間で、宇宙デブリ及び地球近傍小惑星の観測施設を整備します。
 宇宙デブリ等観測施設は、岡山県北部の上齋原村に設置するレーダ観測施設と、
 同県南西部の美星町に設置する光学観測施設の2つからなります。


宇宙デブリ等観測施設の必要性

 これまでに世界各国の宇宙開発・利用活動によって打ち上げられた人工衛星等は、7,000個を越える数となっています。これらのうち地上に回収されたり、大気圏に突入して消滅したものを除いても、2011年7月末現在でおよそ3,500個の人工衛星が地球の周りを回っており、その中には役目を終えたものも多くあります。
 また、宇宙飛行物体は人工衛星ばかりではありません。打ち上げに使われたロケットの一部などが、約16,000個も地球の周りを回り続けています。役目を終えた人工衛星やロケットの一部分などの“宇宙のゴミ”は「宇宙デブリ」と呼ばれ、有人宇宙活動が本格化する時代には、大きな危険をもたらすものと考えられています。
 宇宙デブリの除去や衝突回避、あるいは衝突時の衝撃の軽減などの技術開発が進められていますが、そのような活動の基礎として、宇宙デブリの観測がたいへんに重要な課題となっています。
 今回整備しているレーダ観測施設では600kmの距離にある直径1m程度の物体を検出でき、光学観測施設では、静止軌道近傍の数十mクラスの宇宙デブリ観測、および小惑星帯の直径1km程度の小惑星観測を目標としています。


上齋原スペースガードセンター
の外観(予想図)

宇宙デブリ等観測施設の概要
 宇宙デブリ等観測施設は、低い軌道の観測を行うレーダ観測施設と、高度36,000kmの静止軌道近傍の観測を行う光学観測施設から構成されます。
 上齋原スペースガードセンターは、右上図のような外観で、球状のレドーム内のレーダアンテナにより、高度1,000km程度までの低軌道にある宇宙デブリを観測し、その軌道を決定(どのような軌道であるかを明確にすること)します。このように1ヵ所のレーダ施設での観測から、低軌道にある宇宙デブリの軌道を決定することは世界初の技術的試みとなります。この施設は平成15年度の完成を目指しています。
 美星スペースガードセンターは、右下図のような外観で、図の左側にある口径1mの大型光学望遠鏡により、高度36,000kmの静止軌道近傍の宇宙デブリや地球に接近する小惑星を観測します。図の右側にある細長い建物には、口径50cm及び口径25cmの追尾用小型望遠鏡があります。最初から宇宙デブリ等の観測を目的として最適な設計を行った施設は、我が国で初めてであるだけでなく、世界でも初めてのことです。この施設は、平成10年度から着工し、平成13年度の完成を目指しています。
 施設の完成後は、宇宙デブリや小惑星の観測を行い、宇宙航空研究開発機構などのユーザに観測データを提供します。また、一般の研究者も利用できるように、インターネット等を通じて観測データを提供することも考えています。

美星スペースガードセンターの外観

将来構想
 本計画の施設整備により、宇宙デブリと地球近傍小惑星の検出を日本において行うことが可能になります。
しかし、検出可能な目標物体の大きさに限界があり、また、その個数は、本施設だけで全てを検出しきれないほど
多数存在します。これらの問題解決には、将来複数台のシステムを持つだけでなく、検出可能なサイズを宇宙デブ
リでは数センチ、地球近傍小惑星では100m程度までにできる充実したシステム構築が必要であり、今回のシステ
ムによる実際の観測、検出を通して、より有効な将来システムのデザインを進めることが重要と考えています。


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