JSGA - 理事長挨拶 -


           ご 挨 拶

                              日本スペースガード協会
                              理事長  高 橋 典 嗣


 日本スペースガード協会は、1996年10月20日に発足し、すでに10年が経過しました。発足前は、小惑星の観測・軌道進化等を研究する天文学者グループと、小惑星を将来の資源と位置づけて研究する宇宙工学者グループが、合同で研究会を開催していました。しかし、学問的にも、また社会的にも関心の高まってきた小惑星の衝突問題に関して、研究者のコミティを越えた議論を踏まえながら、観測や研究をするべきであるとの認識に立ち、一般の人にも呼びかけて発足したのが、当協会です。

 小惑星地球衝突問題について、少しでも多くの方々に正しい認識を持って頂くために、講演会やASTEROID(機関誌)、書籍の出版などを通して啓発活動に力を入れて活動してきました。

 故磯部前理事長のご尽力により、こうした活動の成果が実を結び、地球に接近する天体を探索する専門の観測施設、「美星スペースガードセンター」が世界に先駆けて岡山県井原市美星町に完成しました。ここで、1m望遠鏡と50cm望遠鏡を用い、将来に衝突の可能性がある小惑星を全て見つけ出すことを目標に、6名の観測員が毎夜観測を行っています。

 これまでに、地球近傍小惑星20826番(仮符号2000UV13, 2000年10月21日)、2007YZ(2007年12月18日)やBATTERS彗星(2001年11 月21日)を発見、2007年は約300個の小惑星を発見し、仮符号を取得しています。

 一方、当協会の組織形態について1999年2月21日の総会において審議され、特定非営利活動法人へ移行するための手続きを開始することになりました。同年7月12日に東京都に認可申請をし、11月5日に認証され、11月26日に法人登記が完了しました。  こうして、当協会は正式に法人としての活動に入り、現在では、400人をこえる会員にご参加いただいています。

 最近の太陽系科学の進歩によって、地球の誕生や現在の地球を取り巻く宇宙環境、小惑星衝突については、非常に多くのことがわかってきました。その結果、天体の衝突現象は決して珍しいことではなく、地球を含む太陽系の発達進化において、むしろ主要な役割をはたしてきとことも、研究者の共通の認識となっています。

 小惑星衝突は、何十万年に1回しか起こらないのですが、一度起こると最大規模の自然災害となり、人類社会全体に多大な被害が及ぶ可能性があります。また、地震、火山、洪水等と違い、観測されてさえいれば、軌道から確実に衝突や被害状況を予測することができます。

 従って、地球環境を取り巻く宇宙から忍び寄る最大級の自然災害は、地球に接近する天体の詳細なサーベイによる早期発見が最も大事であるということができます。また、地球規模の防災の観点からも、小惑星衝突と起きた場合の被害状況等を科学的に正しく理解しておくことが重要です。

 日本スペースガード協会は、地球を護るために、このような天体の探索、研究、そして科学的情報の啓発活動を行っています。また、イタリアに本部を置く国際的機関であるスペースガード財団をはじめとし、同様の機関や観測施設と国際的連携を図りつつ、活動を展開しています。

 当協会のさらなる充実と、スペースガードに関する活動に際し、会員諸氏の一層のご支援とご協力をお願い致します。


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