小惑星ニュース - JSGA Web News No.145 -
アポロ型特異小惑星2009 VAの接近  昨年,2009年11月6日に地球に大きく接近した天体があった.この天体は,カテリナ・ スカイサーベイの 68-cmシュミットを使用して,2009年11月6日06時11分にアンドロメダ 座を撮影した捜索画像上に発見された17等級の小惑星で,その発見後,同所で約3時間, 追跡された.残念ながら,他の観測所からの追跡観測の報告はなかった.  しかし,軌道計算の結果,発見の約15時間後,11月6日21時35分UT頃に地球中心(地心) に0.00014 AU(= 約2.1万-Km)まで接近し,12等級まで明るくなったことが,2009年11月 6日21時27分UT発行のMPEC V22(2009)で公表された.この小惑星は,すでにその発見時 に地心に0.00314 AUまで接近しており,秒速 8.28-kmで地球に向かっていた.最接近は, 上記のとおり,11月6日21時35分 UTで,地心まで 0.00014 AU, 地表面まで1万4300-km まで接近した.その際の地表面との相対速度は10.29-km/sであった.この小惑星の標準等 級は,H= 28.6等で,その直径が約6.5-mと推測される.  その軌道は,次のとおりで,わずか3時間の観測から決定した軌道であるために軌道に は,多少の誤差が見込まれる. 2009 VA Epoch 2009 Nov. 5.0 TT = JDT 2455140.5 MPCN M 338.21468 (2000.0) P Q n 0.58079308 Peri. 223.99401 +0.02950844 -0.99537580 a 1.4227276 Node 224.55314 +0.94931548 +0.05653889 e 0.3547204 Incl. 7.48676 +0.31293669 -0.07765548 P 1.70 H 28.6 G 0.15 U 6 Residuals in seconds of arc 091106 703 0.2- 0.0 091106 703 0.1- 0.3- 091106 703 0.1+ 0.0 091106 703 0.0 0.8- 091106 703 0.2- 0.4- 091106 703 0.1+ 0.1- 091106 703 0.0 0.1- 091106 703 0.1- 0.1+ 091106 703 0.3- 0.8+ 091106 703 0.3- 0.2+ ●その軌道図を以下に示す. 小惑星は,最近,多く発見される地球軌道の近くを公転する小惑星の1つであった.軌道 図中,Ωは昇交点,逆Ωは降交点,Tは近日点(通過は2009年12月12日)で,小惑星は, 降交点で接近した.なお,小惑星の軌道で,青で描かれているのは,黄道面より南にある 部分,黄色で描かれているのは,北にある部分で,この軌道面には淡い黄色をつけてある. ●接近図  その接近を以下に示した.小惑星は,その接近約9時間前の12時00分には,日本海上空 29.0万kmを通過し,中国・ロシア上空を移動していった.20時00分には,スカンジナビア 半島上空 5.0万kmを通過して,最接近地点に向かった.最接近は,北太平洋上空であった. このとき,小惑星は,地表面に 1.4万kmまで接近し,その後は,太平洋を北南へと横断し, 南半球へと動いていった. JSGA Web News No. 145 2010 Feb. 27 日本スペースガード協会 (c) Copyright JSGA 2010 中野 主一

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