[日本スペースガード協会]

「宇宙ごみ」を地上から観測

岡山・「人形峠」の村に施設 科技庁が計画提示


 科学技術庁は20日、岡山県と動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の人形峠事業所 がある同県上斎原村に対し、使用済み人工衛星やロケットの破片などのスペースデブ リ(宇宙ごみ)を地上から観測する施設の建設計画を提示した。スペースデブリは人 工衛星に衝突すると穴があくなど大事故になる可能性があり、将来の宇宙ステーショ ン計画など、宇宙開発を進めるうえで重大な問題になっている。
 科技庁の計画によると、観測施設はレーダー施設と光学観測施設からなる。口径1 メートルで高速追尾が可能な光学施設は2002年、レーダーは2004年に稼働す る計画だ。建設費は約20億円。運営は財団法人・日本宇宙フォーラム(理事長・関 本忠弘NEC会長)が行い、宇宙開発事業団と航空宇宙技術研究所が技術面で支援す る。電波などのノイズを避けるため人口密集地から離れた上斎原村が適地だとしている。
 現在、アメリカとロシアが、スペースデブリの観測を行っており、地上から観測可 能な直径10センチ以上のデブリだけで約8600個、軌道が決められないミリ単位 まで含めると、約3500万個が衛星軌道にある。
 その他、恐竜絶滅の原因とされる小惑星についても、地球に接近する可能性がある ものについて、観測と軌道計算を行う。
 動燃人形峠事業所は、要員削減計画を進めており、将来的な雇用対策などの協議が 科技庁、動燃、岡山県、上斎原村の4者で進められている。科技庁は、スペースデブ リ観測施設整備に伴う雇用増大はあまり期待できないとしながらも、県がまとめた科 学技術振興策に沿った計画で、科学技術振興に役立つとしている。
(阿部 善男)
平成10年4月21日 毎日新聞 より