5. AstCatの使い方 1 −画像の読み込み−



この章と次の章では、アステロイド・キャッチャー B-612(略してAstCat)を用いて、小惑星を探す方法について説明します。 なお、コマンドボタンについては10章の「各ボタンの説明」もご覧ください。

まずは、\NEAフォルダの中のAstCat.exeをダブルクリックして、プログラムを起動しましょう。 もしグループ名登録や設定をまだ行っていなければ、まずこれらを先に行ってください(3.6章を参照)。

次に、 を押すと次の画面に変わります。 これが、画像を読み込む画面です。



【参考】 ほとんどの画面に用意されている「戻る」ボタンで、1つ前の画面に戻ることができます。 または、Windows画面右上の終了ボタン[X]を押しても画面を閉じることができます。



5.1 基準画像の読み込み 

まず、1番目の画像(基準画像)を読み込みます。 画像1 のボタンをクリックすることにより、画像読み込みのためのダイアログが表示されるので、ここで目的の画像ファイルを表示してそのアイコンをクリックするか、またはファイル名を直接入力します。

画像読み込み画面


【注意】 パソコンの処理速度によっては、画像の読み込みの処理にかなりの時間がかかることがあります。 画面が止まったようになっても、しばらく待ってみてください。(1つの画像を読み込むのに数分かかることもあります。)


画像が読み込まれると画面は次のように変わります。

星表との対応画面


画像ファイルに記録されている画像中央の場所(赤経・赤緯)その他の情報が表示されるので、確認後に「自動」ボタン をクリックし、星表との自動対応(マッチング)をおこないます。

星表との自動対応とは、画像内にある恒星のイメージと、位置の詳しくわかっている恒星のデータ(星表)とを照合し、画像が天空上のどの場所を写しているかを自動的に正確に決める作業です。

星表との自動対応がうまくいったら、2番目の画像、3番目の画像・・・と順次読み込んでいきます。 この場合、2番目の画像以降については、最初に読み込んだ画像との位置あわせが自動でなされます。

読み込んだ画像を消去したい場合には、ボタン(表示されている画像だけを消す)か、ボタン(読み込まれている画像全てを消す)をクリックしてください。 ただし、表示されている画像が(1)であるときにボタンをクリックすると、読み込まれている全ての画像を消すことになります。

【参考】 この画像の読み込み画面でボタンを押すと、表示されている画像を、ビットマップ・イメージとしてファイルに書き出すことができます。 オリジナルの画像はフィッツ・フォーマットという特別なものですので、画像を扱うソフトによっては読めない場合があります。 そのような場合には、画像を一度ビットマップファイルに書き出してからお使いください。



5.2 星表との手動対応 



星表と自動対応に失敗したときには、手動対応を行う必要があります。

ごく稀(まれ)ですが、たとえば北極星付近(赤緯+89度以上)を写した画像や質のよくない画像などでは、星表との自動対応ができない場合があります。この場合は次のようにして画像と星図(星表のデータを図表化したもの)を比較しながら、両者を対応させる必要があります。

星表との自動対応が失敗したときの画面


自動対応に失敗した場合、上図のように「OK」ボタンがついたメッセージボックスと呼ばれる小さな窓があらわれます。 この「OK」ボタンを押すと、画像と、星図とを対応させるための新たな画面が表示され、ここで画像(左に表示)と星図(右に表示)にある恒星とを一致させることになります。

手動対応画面


まず、画像と星図の両者から特徴のある星の並びを目印にして、両者が同じ領域であることを確認します。 もし、両者の星の並び方にまったく似ているところがなければ、入力した赤経・赤緯の値に間違いがあるのかもしれません。

画面右側の星図には写野の広さを示す青い枠線が引かれていますが、これは参考として描かれているだけなので、枠の内外の区別を考える必要はありません。 見比べて写野に間違いがなければ、両者の中から適当な同一星の組み合わせを4組程度選びだします。 このとき、選択する星は画像の中で一部に偏(かたよ)らないようにする必要があります。

どの星を選ぶかがきまったら星図と星表から該当の恒星をクリックしますが、クリックする順番は同じでなければならないので、画像と星図とで同一星を交互にクリックする方がよいでしょう。 クリックすることによって選択された整約星は、赤色に変化します。 一度選択した整約星を取消すには、もう一度クリックすれば選択はキャンセルされます。選択後、「手動対応」ボタン をクリックすると画像と星表との対応がおこなわれます。

対応が完了後、「整約星」ボタン をクリックすると、十分な精度で対応した恒星が赤い枠で。何らかの理由で誤差が大きく、座標計算から除外されたものは青い枠で囲まれて表示されます。 赤い枠に囲まれた星が画面全域に広がっていれば手動対応は成功したと言えるので、「戻る」ボタン をクリックし、初期画面に戻ります。

「残差表」ボタン をクリックすると、整約星の残差を表示することができますが、これで画像と星表のマッチングの精度を知ることができます。

この手動対応の画面にも「自動対応」のボタン がありますが、これを押すと自動対応をした上で対応した星を画面上で確認することができます。 (このボタンは、手動対応とは関係ありませんが、自動対応の様子を星図と比べたい場合に使ってください。)

「初期化」ボタン は、クリックすると選択した恒星をすべてキャンセルするので、整約星のクリックを誤った場合など、最初からやり直したい場合に使用します。

なお、画像読み込みの画面にある「星表との対応」ボタンを押すと、星表との対応の画面が現れます。 通常は画像を読み込んだときに星表との対応をしますが、もしそのときに星表との対応をしなかったときには、このボタンを押して対応を行ってください。


5.3 画像の調整 

表示画面のコントラスト等の調整をするときには、ボタンを使用します。

調整画面


コントラスト
コントラストの標準値は10ですが、数値を大きくするとレンジが広がってコントラストが弱くなり、反対に小さくすればコントラストが強くなります。

スカイ増減値
大きくすると、暗い星を明るく表示しますが、ノイズも増加します。

テスト表示
設定値を表示するには、テスト表示1、テスト表示2のボタンでおこないます。 「テスト表示1」 には、最初は現在値の状態が表示されますが、新しい設定値での表示に入れ替えることができます。 テスト表示1、テスト表示2で表示されている画面をクリックするとその設定が採用されます。

 全画面に適用 = 
設定した値を全ての画面に適用し、再描画がおこなわれます。

 標準に戻す = 
設定した値を標準の値に戻すときに使います。



5.4 画像情報の表示 

画像に関する情報を知りたいときには、ボタンを押します。



画像1から画像6をクリックすることにより、それぞれの画像の情報を表示します。 (読み込んでいない画像の番号を押しても、表示は変化しません。)


認識星数
CCD星数は画像をスキャンして星像として認識したものの総数です。

光度常数
光度常数は、等級を計算するための常数で、CCD上の輝度と星表記載の等級から決定します。
この常数から目的星の明るさは、
  目的星の明るさ = 光度常数 - 2.5 * log10 (輝度)
で計算できます。

残差表 
整約星の残差を表示します。 画像と星表のマッチングの精度を知ることができます。