１９９９年のしし座流星群

1999年のしし座流星群の観測 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渡辺 文雄（上田市） フイルムはフジカラーASA400 ニコンF2.　ニコン8mm全周魚眼レンズ 撮影場所は群馬県と上田をむすぶ国道144号線「鳥居峠」で標高は約1500mです・・・ちなみに気温は-5℃まで下がりました。昨年の、しし座流星群は11月16日〜19日の3日間を観測にあてましたが、16日、17日はご存じの様に天候不順で観測できず、18日の夜が最高の観測日和でした、この日は11時頃から流星が増えてきて最高は26時〜27時の間で時間当たり私が一人で数えても50〜60個位を数えることができましたので、本格的に計数観測したらおそらくこの倍近い数の流星が見えたのではないかと思います。私の記憶でも1998年よりもはるかに沢山の流星を観察することができました。2001年のDavid Asher氏の予測をおおいに期待したいと思います。 撮影日時：1999.11.18　　26：10〜27：10の間に流れた流星の比較的明るいもの4個を一枚の画像に合成。 撮影場所：鳥居峠 撮影光学系：50mm 　F 1.2 ビデオカメラ用レンズ Image Intensifier使用。ビデオカメラは工業用CCD Video Camera を使用して出力をA/D コンバーターにかけた後、デジタル　ビデオデッキで録画。 ビデオからキャプチャーした画像を1枚あたりおよそ10枚コンポジットした画像を写っている流星の数（4個）だけ作って、これを最終的に更に4枚コンポジットしていますので、できあがった画像は40枚（フレーム）の画像を合成しています。画像同士の位置合わせがまだ満足いかないところがあるのですが。

しし座流星群が月面を直撃 　テキサス州ヒューストンのBrian Cudnikは35cmの望遠鏡で月の暗い部分を観測していて、その中央部で非常に短時間であるが、オレンジ色の閃光を認め、それが3等の明るさと推定した。さっそくIOTA（Internationl Occultation Timing Association) のDavid Dunhamに連絡した。その時間のビデオ記録を撮っていたDunhamは、そのプレイバックで同じ現象を確認した。グリニッジ標準時で11月18日、4 : 46 : 15.2 amであった。月面にいん石が衝突した瞬間の現象が、はじめて確認されたのである。ちょうど2、3時間前に、しし座流星群のピークが欧州、アフリカ、中東で見られたところであった。 　北アイルランド、Armagh天文台のDavid Asher（吉川さんの解説参照）は、その時、太陽からの距離が地球より少し遠く、かつ地球の背後を進んでいた月が、1889しし座ストリーム（テンプル‐タットル彗星が1899年に残していった流星粒子の流れ）のより中心部分を、約3時間遅れて通過することを、彼の計算モデルから導き出した。その時刻も4 : 49 am GMT、月面での現象が観測された時刻に極めて近いものであった。この1899しし座ストリームは、1966年に地球に大きな流星雨をもたらしたが、今回の月での強度はそれと同程度であるということである。 　その後、何人かの観測データを基に、Dunhamはビデオテープから表に示した６つの衝突を確認した。 　アリゾナ大学のJay Meloshは、衝突したいん石の質量は数十kgから数百kg、直径は50cm前後、できたクレーターの直径は10〜15ｍと推定した。しかし、こんなに大きな流星はきわめてまれであり、この推定の際に予想した以外のエネルギー変換が起こっているのではないか、という疑問も提示されている。 　この現象そのものについても、まだまだいろいろな議論がある。今後の検討に期待したい。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ 松 島 ） 名称 発見者 時刻（ＧＭＴ） 光度 月面上の近似的位置 F D. Palmer 3:05:44.2 am 5 Hardingの180 km南東 D D. Palmer 3:49:40.4 am 3 Heveliusの西の壁 E D. Palmer 4:08:04.1 am 5 Roccaの140 km南西 A B. Cudnik 4:46:15.2 am 3 Cardanusの30 km北東 B P. Sada 5:14:12.9 am 7 Galilaeiの150 km東 C P. Sada 5:15:20.2 am 4 Schiaparelliの100 km南 　　　　　　　　　　　　　　（http://iota.jhuapl.edu./lunar_leonid/hit_map_4.jpg）

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