小惑星についての国際会議

「ASTEROIDS 2001」の報告
吉川 真(宇宙科学研究所)



 今年2001年は、最初の小惑星Ceresが発見されてちょうど200年となる年ですが、それを記念して、「ASTREOIDS 2001」という小惑星に関する国際会議が、6月11日から15日にかけてCeres発見の地であるイタリア・シシリー島のパレルモで開催されました。この会議には、世界各国から小惑星に関する多くの研究者が集まり、口頭発表が90件余り、ポスター発表が130件余りという小惑星としてはかなり大きな会議となりました。参加者の数も、300人程度はいたものと思います。発表の内容も、従来の光学観測や理論計算に加えて、レーダーによる観測からスペースミッションまで、多岐にわたるものでした。

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パレルモ天文台(パレルモ天文台の絵葉書より)

 日本からは十数名が出席しましたが、日本スペースガード協会からは寺薗さんと私とが出席し、美星スペースガードセンターについてポスター発表をしてきました。さすがに小惑星の専門家の集まりだけあって、多くの研究者が関心を示してくれて、今後の活動が注目されそうです。
 なお、会期の途中でちょっとしたセレモニーがあって、10001番の小惑星にパレルモ(Palermo)と名付けることが発表されました。このときには、パレルモの市長さんも会場に来て、挨拶をしていました。この研究会の副題は「from Piazzi tothe 3rd millennium」ということで、ピアッジがパレルモ天文台で最初の小惑星Ceresを発見してから200年が経過したわけですが、小惑星も新たな時代に入ったという感じです。

※この研究会で発表しました内容は日本スペースガード協会のホームページに掲載する予定です。