品川 和宏さん
品川さんには、現在定款/会費改定委員会の委員をお願いしています。
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押入の天袋を整理していたら、やけに重たい箱をみつけました。箱から出てきたのは自作の赤道儀。高校時代に写真撮影用につくったものでした。もう過去の遺物、捨てようとしましたが、いじってみると何の軋みもなく動く。軸を頑丈に支えるベアリングは町工場に飛び込みで入って譲ってもらったもの。「引っ込み思案だった自分が、よくもそんな大胆なことが」「精一杯がんばったんだなあ」と思うと、オンボロでもいとおしい。器械としての使命はついえても、若き日のモニュメントとして輝き出しました。
かつて天文学者をめざした自分は、今、放送作家という仕事をしています。天文台に勤務するはずが、なぜかお台場に通っている(笑)。才能もない、理科系に向いてないってことは薄々感づいていましたが、浪人中に見たTV番組がイケナイ! カールセーガンが企画出演した「コスモス」。20年近く前の作品ですが、熱中した方も多いことでしょう。それで天文学や宇宙工学から離れられない運命に。進路を文化系に変えても気持ちは変わらず、ケーブルTVなどで海外の骨太の科学番組を目にすると、"内外格差"を痛いほど感じます。「やっぱりスタッフの意気込みの差は隠し切れないか・・・」。わが日本の制作陣は、ホーキンズの人物像には興味津々でも理論には興味がないタイプ。クイズ番組などを制作するとよくわかるんです。「史上○○のクイズ王」といった番組で、歴史や文学などの問題を練るとき、重箱の隅のさらに隅をつつかないと気がすまない。それが理科系分野だと、教科書に太字で強調してあるような事柄でも、スタッフは首をかしげ「それは一般的なじゃないね」と遠ざけてしまう。そんなものです。科学立国とかいう立派な口上を述べても、やることが数学の授業時間を増やすだけじゃお寒いですよね、自らの立場で改革をしたいと夢に描くこの頃です。皆さんのお力も頂戴したいと虫のいいことも・・・。
マスコミや教育の問題にかかわらず、近頃は強い使命感みたいなものを感じます。ときには「地球を救いたい」って、アニメチックな発想も。デブリや地球近傍天体の問題は、人類に与えられた大きな課題のような気がしてならないのです。
現在、定款・会費等の改定検討委員会のお手伝いをさせて頂いてます。非力は承知ですが、今後ともよろしくお願い致します。(写真はこの夏に長瀞でキャンプした時のものです) |
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