地球に衝突する可能性のある地球接近天体を発見・監視し、これらの天体に関する広範囲な研究とその啓発普及を行い、「地球と人類を、宇宙からの天体衝突の脅威から守る」ための活動を「スペースガード」と呼んでいます。
日本スペースガード協会では、1999年に任意団体から特定非営利活動法人へ移行後、初代理事長である故磯部琇三氏の尽力により地球接近天体及び宇宙デブリ専門に観測する目的で建設された美星スペースガードセンターでの継続的な発見・監視観測、また関連する研究活動や教育普及活動も積極的に進めてまいりました。
近年、「スペースガード」は「プラネタリー・ディフェンス」と呼ばれるようになりました。
この間、世界各国に地球接近天体を専門に発見・監視観測する施設が稼働し、目覚ましい成果をあげています。国内でも美星スペースガードセンターの他、当協会会員の追跡観測が地球接近天体の正確な軌道計算や地球との衝突確率の評価に貢献しています。
また、NASAのDARTミションなど軌道変更技術にみられるように衝突回避の技術開発においても、国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)、各国の宇宙機関(NASA、ESA、JAXAなど)国際的に連携による協力も顕著です。
今後、スペースガード研究センターの研究活動の推進に加え、地球接近天体の国内観測網の充実と天体衝突回避につながるように地球接近天体の直径や形状、物理的性質、自転周期などの観測、研究にも取り組んでまいります。
また、自然科学としてのスペースガードだけでなく、「地球という唯一の居住可能な惑星を、宇宙からの破滅的衝突リスクから守り、持続可能な人類の未来を確保すること。」を目標に政府機関・一般市民・メディアにも、広報活動を通して天体衝突リスクについて正しい知識を持ち、この最大級の自然災害に適切に備える意識を高める社会科学としてのスペースガード(プラネタリー・ディフェンス)に取り組む所存です。
当協会のさらなる発展充実とスペースガード(プラネタリー・ディフェンス)に関する活動に際し、皆さまの一層のご支援とご協力をお願いいたします。
2025年6月
理事長 浅見敦夫