イギリスからの生徒を迎えてのイベントと交流会

−筑波宇宙センターにて −
高橋 典嗣(明星大学)



 3月27日、筑波宇宙センター(NASDA)に於て、イギリスの中学生と筑波の宇宙少年団(YAC)との交流会および美星スペースガードセンターの50cm望遠鏡の遠隔操作実験が行われました。イギリスから来日した中学生3名と2名の教師が住んでいるリバプールでは、International Schools' Observatory(ISO) に教材としてロボット望遠鏡の活用を提案しています。そこで、イギリスのロボット望遠鏡同様に、美星スペースガードセンターの50cm望遠鏡の遠隔操作を筑波の宇宙少年団のメンバーと一緒に体験してもらうことにしました。
 実験当日、宇宙フォーラムの寺薗さんと筑波宇宙センターの野中さんらの協力によりネットワークの設定が終了、筑波と美星スペースガードセンターがネットワークでつながりました。そして、黒田さんのオペレータで遠隔操作の準備が完了しました。
 まもなくして、筑波の宇宙少年団メンバー12名が到着すると、宇宙センターの所内見学を終えたイギリスの生徒達も到着し、交流会ならびに遠隔操作実験がはじまりました。
 磯部理事長の挨拶に続き、参加者の自己紹介が行われました。

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写真1 会場の様子 写真2 兎は簡単にクリアーしたが、鶴を折るのは手ごわい 写真3 遠隔操作に挑戦するイギリスの生徒

 いよいよ、遠隔操作実験です。参加生徒のリクエストにより、池谷・張彗星に望遠鏡を向けることになりました。スクリーンに投影される操作画面に彗星の位置を入力すると、数分後にスクリーンに星像が映し出され、歓声があがりました。
 この日の筑波の天候は雨、通常ならこのような夜は、観測を断念しなくてはいけません。ところが、遠隔操作する望遠鏡が設置されている美星スペースガードセンターは、夕方から雲が切れ、観測が可能になっていたのです。雨なのに天体観測ができるのは、遠隔操作ならではのことです。
 若干、操作が不慣れなため戸惑っている間に、宇宙少年団の生徒が持ち込んだ折り紙で、イギリスの生徒たちと兎や鶴を折るなど、会場は自然に親睦が深まっていきました。
 最後に、遠隔操作でオリオン大星雲に望遠鏡を向け、迫力あるイメージがスクリーンに映し出されました。そして、実験の終了が告げられると、実験の成功を祝うとともに、別れを惜しみつつ、閉会となりました。
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写真4 記念撮影
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