プラネタリウム番組・「小惑星−知られざる小さな星たち」

− 投映報告-1 −
根本しおみ(葛飾区郷土と天文の博物館)



 SGA会員の皆様、こんにちは。
私の勤める葛飾区郷土と天文の博物館では、昨年12月から今年4月初めまで、「小惑星―知られざる小さな星たち」というタイトルで小惑星をテーマにしたプラネタリウム番組を投映しました。(会員の皆様にも多数ご来館いただきまして、ありがとうございました。また、講演をしていただいた吉川副理事長、ありがとうございました。)「小惑星」という天体に対する一般のお客様の反応について、解説者としての雑感を少々述べさせていただきます。

まず、番組の内容です。
(1)オープニング
小惑星のCG画像(とてもイモっぽい)とタイトル。
(2)小惑星とは
解説者:太陽系内で小惑星が主に火星と木星の間にある事などCGを見せながら説明。
クイズ:小惑星は、いつ、どのようにして発見されたのでしょうか?(正解:2) )
1)20年前、アメリカの惑星探査機が発見した
2)200年前、イタリアの天文学者が望遠鏡で発見した
3)2000年前、ギリシアの天文学者が肉眼で発見した

ナレーション:1801年にピアッツィがケレスを発見し、その後現在までに26000個以上(ちょっとデータが古かった。)の小惑星が発見されていることを説明。

(3)小惑星探査
解説者:ガスプラの写真を見せながら小惑星の形や表面のクレーターについてコメント。
クイズ:この写真はどのようにして撮影されたのでしょうか?(正解:3) )
1)地上にある天文台の望遠鏡で撮影された
2)ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された
3)惑星探査機が近づいていって撮影した

ナレーション:まず、天文台、ハッブル、探査機のそれぞれが撮影した小惑星の写真をみせて、最近の探査機(ガリレオ、ニア・シューメイカー)による小惑星の画像を紹介。
解説者:小惑星を調べることによって太陽系が始まったころの様子がわかるかもしれないとコメント。

(4)地球に衝突する小惑星
解説者:ガスプラの写真と葛飾区の大きさを示す写真を出し、小惑星の大きさについてコメント。
クイズ:もしガスプラと同じくらい(直径20kmくらい)の大きさの小惑星が地球にやってき
たら?(正解:3) )
1)大気圏で燃え尽きる
2)隕石となって落ちてくるが被害は少ない
3)地球規模での災害が起きる

ナレーション:6500万年前の恐竜絶滅の様子。直径10kmほどの小惑星が地球に衝突し、ユカタン半島にクレーターを残した。太陽系のほかの惑星・衛星にもクレーターは多数存在する。
地球への小惑星の衝突という危険性は今でもある。

(5)小惑星観測の意義
クイズ:これまでに軌道がわかっている小惑星のうち、今後130年間に地球にぶつかる小惑星は?(正解:1) )
1)ない
2)10個くらい
3)100個以上

解説者:ちょっと安心。でも、まだ見つかっていない小惑星のなかに、地球にぶつかる軌道のものもあるかもしれない。世界で小惑星から地球を守る取り組みがはじまっている。
ナレーション:1996年5月に小惑星と地球とのニアミスがあった。アメリカではいくつかの研究機関で小惑星観測計画が進められている。日本では美星スペースガードセンターで観測を行っている。(BSGCでの観測の様子がビデオで流れるが、橋本氏がとてもカッコイイ。)地球を守るために人類は宇宙に目を向け始めた。
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